2013年12月14日(土)~2014年1月19日(日)、松坂屋美術館では「スヌーピー×日本の匠展」を開催しています。
松坂屋美術館「スヌーピー×日本の匠展」を取材!
アメリカの新聞で連載されたコミック「ピーナッツ」に登場する「スヌーピー」。
今なお世界中の人々に愛され続けている人気キャラクターです。
本展では、スヌーピーと日本の匠がコラボレーション。
スヌーピーの形をした様々な伝統工芸品が並びます。
本プロジェクトを企画した、アーティスト大谷芳照氏にお話をうかがいました。
―本展を企画したきっかけは?
石川県の輪島塗の伝統工芸士に、製作途中の器を見せてもらったことがきっかけです。
手作業で彫り上げたという器を手にのせられた時、驚くほど軽く、陽の光が透けるほどの薄さだったんです。
これが伝統工芸士の技なのか!と非常に感動して。
スヌーピーを手描きで描いていたシュルツ氏もいわば“匠”ですから、
日本の匠とスヌーピーがコラボしたら素晴らしい作品ができるのは…と思ったんです。
―自ら伝統工芸士の方にお声掛けを?
ええ、そうです。アポなしで日本全国の伝統工芸士さんのもとへ伺いました。
最初は、話すら聞いてくれないこともあったんですが、
何度も何度も通ううちに、僕の情熱が伝わったようです。
でも「やりましょう」となってからが、本番。
どの伝統工芸士さんにとっても、スヌーピーは初めての試みですので、様々な苦労がありました。
―例えばどのような点が難しかったですか。
スヌーピーは首が細く、頭が大きいでしょう。
もともと立体にするのは非常に困難なんですね。
これは伝統工芸士さんだからこそなせる技だと思います。
スヌーピーを忠実に再現した、みなさんの技術力は本当に素晴らしいです。
また正確さだけでなく、どの作品も細かいところにこだわりがあるんです。
例えば津軽塗のスヌーピーの耳の柄には小さなスヌーピーが隠れていたり、
ちゃんと「小物入れ」として使えるよう引き出しがついていたり、
真珠でできたスヌーピーはスヌーピーサイズの真珠の指輪を持っていたり…
どれも細かな演出が施されているので、ひとつひとつ丁寧に見ていただければと思います。
―では最後にメッセージをお願いします。
伝統を受け継ぎながらも、こうした新しい試みに挑戦する姿勢も、
これからも伝統をつないでいくために必要なことなのだと思います。
スヌーピーを通し、より多くの人に日本の匠の素晴らしさを
感じ取っていただきたいです。